税理士に依頼することで、会計や税務に関する煩わしさから解放され、経営に専念できるようになります。
しかし、税理士に依頼するにあたって税理士報酬の費用や料金の相場が分からないと不安に感じることもあるでしょう。
この記事では、2023年現在の税理士報酬の費用・料金の相場について、年商や業種別に解説いたします。
税理士の費用・料金は、依頼する業務の内容や難易度、対象となる企業の年商や業種などによって異なります。一般的な相場としては、中小企業であれば年間20万円〜50万円程度、大企業や上場企業であれば100万円以上となることが多いようです。また、会計業務のみを依頼する場合や、確定申告のみを依頼する場合は、それぞれ10万円〜30万円程度が相場となっています。業種によっても費用は異なり、飲食店や小売店の場合は売上高に応じた固定料金が一般的で、医療・福祉業界や不動産業界などは、独自の複雑な税制がある為、費用が高くなる傾向にあります。自社での税務処理に苦労している場合は、一度税理士に相談することをおすすめします。
顧問税理士の役割と必要性について
顧問税理士は、税務相談や申告書作成だけでなく、経営コンサルタントとしての活躍を求められることが多くなっています。
特に中小企業にとって、税理士は財務や経営に関するサポートを提供する重要な存在となっています。
税理士に依頼することで、企業経営者は財務や税務に関する問題を専門家に任せ、自身の時間を経営に集中することができます。
中でも、顧問税理士は企業の規模や業種を問わず、長期的な視野で経営に必要な戦略やアドバイスを提供することができます。
起業前には、事業計画の作成や行政からの補助金・助成金の申請書類の作成、適切な会社設立方法のアドバイスを行います。
経費や資産については細かいルールが決まっており、税理士と相談してわからないことは遠慮なく聞くことが重要です。
税理士は、経営の面でも強力なサポートを提供してくれる貴重なパートナーとなることでしょう。
これらのアドバイスは、起業前に起業後に起こりえる問題を事前に回避し、経営の安定化につながります。
また、起業後には、日々の経理業務や資金調達、財務分析、税務申告などを担当することが多く、会計・財務・税務分野に精通している税理士が重宝されます。
さらに、経営戦略や財務政策、新規事業の立ち上げなど、経営戦略に関するアドバイスも顧問税理士には求められます。
特に中小企業では、自社の経営戦略を見直すことで業績向上につながる場合があります。
税理士として、会計・財務・税務分野の専門知識だけでなく、ビジネスに関する広範な知識を持ち合わせることが求められる為、経営者や起業家にとっては、強力なサポートを提供する存在となります。
顧問税理士の主な役割は以下の通りです。
1.税務アドバイス:法人税や消費税、源泉徴収税などの税務問題に関するアドバイスを提供します。また、税務調査が行われた際には、税務調査の立ち会いや調査書類の作成を代行することもあります。
2.会計業務:企業の帳簿や決算書の作成や記帳代行などの会計業務を代行することができます。
3.経営アドバイス:業績分析や財務分析を行い、経営戦略の策定や改善提案を行います。また、経営計画や事業承継の支援、資金調達のアドバイスなど、経営に関する広範なアドバイスを提供することができます。
顧問税理士には、税務代理権限が付与されています。
これにより、税務調査の立会いや税務書類の作成代行など、税務に関する業務を代行することができます。
税務調査には多額の納税義務が発生することがある為、顧問税理士を会社の代理人として調査に臨むことで、法的な知識や調査対応のノウハウを持った専門家が代わりに対応することができます。
税理士報酬について
税理士の報酬には、顧問料と決算申告料があります。
顧問料は、会計や税務などの業務を定期的に代行する為に支払うものであり、決算申告料は、年度末に行う決算書の作成や申告書の提出代行を行う際に支払うものです。
顧問料は、税理士事務所によって異なりますが、一般的には、企業の年間売上高によって設定されます。
中小企業の場合、年間売上が1億円以下の場合は、年間20万円〜50万円程度、1億円〜3億円程度の場合は、年間50万円〜100万円程度が相場とされています。
大企業や上場企業の場合は、年間数百万円から1000万円以上の高額な顧問料がかかることもあります。
決算申告料については、顧問料に加えて支払うものであり、顧問料と同じく税理士事務所によって異なります。一般的には、月間顧問料の4ヶ月分〜6ヶ月分が相場とされています。
また、一部の税理士事務所では、料金設定に応じて業務内容に制限を設ける場合があります。たとえば、月々の顧問料が安い場合は、特定の業務についてのみ代行することが条件になる場合があります。
税理士の報酬には、業務内容に応じた適正な価格を設定することが重要です。
税理士選びの際には、事前に報酬についての見積もりをもらうことをおすすめします。
また、税理士紹介サービスを利用することで、複数の税理士事務所から見積もりをもらい、比較検討することもできます。
決算申告料について
決算申告料は、法人が1年間の事業収支や財産状況をまとめた決算書を作成し、税務署に提出する際に必要な料金です。
決算書は、法人税申告書などと一緒に提出する必要があります。また、株主報告や融資資料、経営分析資料などにも利用されます。
個人事業主の場合も、正確な決算が必要となります。
決算申告料は、顧問税理士に依頼した場合に発生するものです。
顧問税理士には、事業の財務状況や税金の申告、税務相談などを定期的に代行してもらう為に、顧問料が発生します。
顧問税理士によっては、決算申告料が顧問料に含まれている場合もあります。
顧問料の相場は、企業の年間売上高によって異なりますが、一般的には、年間売上が1億円以下の中小企業では、年間20万円〜50万円程度、1億円〜3億円程度の企業では、年間50万円〜100万円程度が相場とされています。
決算申告料の相場は、顧問税理士によって異なりますが、一般的には、顧問料の4ヶ月分〜6ヶ月分程度が相場とされています。
決算申告料には、消費税申告代行料なども含まれます。
一方、顧問税理士がいない場合にスポットで決算申告を依頼することもできます。
この場合、料金は相場よりもやや高くなることがあります。決算申告は、税務署に提出する期限がある為、計画的な手続きが必要です。
税理士に依頼する場合は、事前に相談し、必要な手続きや期限について確認することが大切です。
税理士報酬が決まる要因について
まず、面談の回数や頻度についてです。
税理士によっては、毎月の面談を強く勧めるものもいますが、実際に必要な面談回数は事業の状況によって異なります。
一般的には、月1回程度の面談が適切とされています。
また、一度に多くの相談をするよりも、頻繁に相談することで問題を早期発見し、解決することができる為、面談回数を減らしすぎないように注意しましょう。
次に、売上高についてです。売上高が大きくなるほど、取引数や顧客数が増え、会計業務や税務申告の作業量も増加します。
その為、税理士の仕事量や責任が増える為、報酬も上がることが一般的です。
記帳代行の有無については、税理士によって料金体系が異なります。
一部の税理士は、顧問料に記帳代行を含める場合がありますが、一方で、記帳代行は別途費用がかかるという税理士もいます。
事業者は、自分自身で帳簿をつけることもできますが、正確な帳簿のつけ方や確定申告の手続きに不安がある場合は、記帳代行を依頼することも一つの選択肢です。
最後に、担当者の質についてです。税理士は、資格を持った専門家であり、知識や経験によって報酬が異なることがあります。
報酬が高いからといって必ずしもよい税理士とは限りません。
担当者との相性や、自分の事業に対する理解度、対応スピードなども報酬の決定要因となります。
事業者は、自分に合った税理士を選ぶことが大切です。
税理士の選び方について
税理士を選ぶ際には、以下のような詳細な点に注意することが重要です。
まず、自分が必要とするサービスを明確にすることが重要です。
税務申告のみを依頼する場合と、会計業務の全てを依頼する場合では、料金が大幅に異なります。
また、税理士によって得意分野や提供するサービスが異なる為、自分が必要とするサービスを明確にすることで、最適な税理士を選ぶことができます。
次に、税理士に提供する情報を詳細に伝えることが重要です。
税理士が依頼された業務を正確に評価し、適切な報酬を提供する為には、会社の規模、業種、取引先の数、従業員数、領収書の枚数などの情報を提供する必要があります。
このような情報を正確に提供することで、税理士が提供するサービスとその料金を正確に評価できます。
また、報酬に含まれる業務内容を確認することが重要です。
税理士の報酬は、提供するサービス内容や業務量によって異なる為、報酬に含まれる業務内容を確認することで、最適な税理士を選ぶことができます。
また、追加料金が発生する場合には、その内容や料金についても確認しておく必要があります。
最後に、複数の税理士から見積もりを取り、比較することが重要です。
複数の税理士から見積もりを取ることで、提供されるサービス内容とその料金を正確に比較することができます。
また、料金以外の点で重要なのは、税理士との相性です。
税理士は長期的な顧問としての役割を担う為、人間的な相性が重要になります。
税理士との相性を確認する為に、面談を行うことが望ましいです。
税理士報酬の価格交渉について
税理士を選ぶ際、価格交渉は効果的な手段の一つですが、適切な方法で交渉することが重要です。
まず、交渉前には、自分が必要とするサービス内容やその料金、税理士の得意分野や経験、対応力などを把握しておくことが重要です。
また、複数の税理士から見積もりを取ることで、適正な価格を把握することができます。
このような情報を収集することで、価格交渉に有利な立場に立つことができます。
次に、交渉に際しては、具体的な削減案を提案することが大切です。
ただ値下げを求めるだけではなく、自分が求めるサービス内容を妥協することなく、交渉する為には、税理士との面談の頻度を減らす、自分でできる業務を減らす、オンライン会議ツールを活用するなど、具体的な案を用意することが望ましいです。
また、交渉に際しては、相手の立場にも立って交渉することが重要です。
相手の事情を理解し、双方が納得できる解決策を見つけることが大切です。
ただ値下げを求めるのではなく、価格交渉を通じて、税理士との信頼関係を築くことも重要です。
最後に、交渉の結果を文書化することが重要です。
値下げの条件や業務範囲の変更など、交渉内容を明確に文書化し、双方が納得した上で契約を結ぶことが重要です。交渉結果を文書化することで、後々のトラブルを防ぐことができます。
まとめ
税理士の費用・料金は、依頼する業務の内容や難易度、対象となる企業の年商や業種などによって異なります。
一般的な相場としては、中小企業であれば年間20万円〜50万円程度、大企業や上場企業であれば100万円以上となることが多いようです。
また、会計業務のみを依頼する場合や、確定申告のみを依頼する場合は、それぞれ10万円〜30万円程度が相場となっています。
業種によっても費用は異なり、飲食店や小売店の場合は売上高に応じた固定料金が一般的で、医療・福祉業界や不動産業界などは、独自の複雑な税制がある為、費用が高くなる傾向にあります。
自社での税務処理に苦労している場合は、一度税理士に相談することをおすすめします。